
病気は治療すると完全に治ると思っている方もいるのではないでしょうか。
脳に障害を負ったり、脳の病気になると後遺症といって障害が残ることがあるんです。某タレントさんが脳血管障害によって性格が変わってしまったということを耳にしたことがある方もいますよね。
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まさにその通りで、脳に障害を負うことで性格が変わってしまうんです。
そんな本日は脳梗塞の後遺症で性格の変化はあるのか?そして言語障害は回復するのかについて詳しくご紹介したいと思います。
脳梗塞の軽度な後遺症とは?
脳梗塞の後遺症があると、元の生活に戻ることができないこともあります。
では、脳梗塞の後遺症が残る理由とどんな後遺症があるのかお話していきましょう。
脳梗塞の後遺症が残るはなぜ?
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳に血液が十分流れないために起こる病気です。
血液が流れなくなると脳は少しずつ血が非常に足りない状態(虚血状態)になり、脳の細胞は死んでしまいます。
脳の細胞が死んでしまうと、脳はどうなると思いますか?
治療したらすぐに良くなると思う方もいますよね。
でも実は、脳の細胞が死んでしまうと・・・死んでしまった脳の部分がつかさどっている機能(例えば:言語をつかさどっている部分であれば、言葉がうまく話せなくなります)を失ったり、機能が以前より低下していまいます。
治療したらその細胞はもう一度戻るわけではなく、死んでしまった細胞は戻ることはないのです。
そのため、死んでしまった脳の細胞部分や神経がつかさどっていた機能を失い、それが後遺症として残ってしまうのです。
脳梗塞になり、脳細胞が死んでしまったら全て終わりだと思いますよね。
しかし、脳の細胞が死んでしまっても、人の体は補おうとする力や反射があります。
他の脳の細胞が死んでしまった細胞の機能を補おうとしたり、脳の中で死んでしまった細胞を使わずに新たな神経の通り道を作り補おうとするのです。
また、虚血した部分の脳細胞が全て死んでしまうわけではなく、少しでも血が通っていた部分は時間はかかりますが少しずつ機能を回復していくことはあります。
もちろんそれにはじっとしていても機能は回復しません。
リハビリをしていくことで少しずつ脳細胞が活性化され、回復していくのです。
脳梗塞の後遺症にはどのようなものがあるの?
①,神経障害
- 運動麻痺(筋肉を意識して動かすことができなくなる)
- 感覚麻痺(感覚がなくなる)
- 嚥下障害(飲み込みが困難となる)
- 排尿障害(尿を出す機能が低下する)
- 視覚障害
運動麻痺や感覚麻痺は、脳梗塞が起こった場所と反対の体の部分に起きることが多いです。
運動麻痺の症状としては、手足が動かしにくい、話しにくいなどです。
感覚麻痺は、触れられている部分の感覚が鈍かったり、熱い・冷たいと感じることができないなどです。
②,高次脳機能障害
高次脳機能障害では、注意障害というものがあります。
注意が散乱して、同じことを続けてしたり、同時に他の何かを行うのが困難となります。(例:洗濯物を畳んでいる途中で、気になってしまい掃除を始め、掃除の途中でご飯のことが気になり、ご飯を作り始めたりする。)
失行は、普段何気なくしていることができなくなることです。(例:はさみと紙を渡されて、紙を切るよう指示されても意味が分らなく、はさみをどのように使っていいのかも分からなくなる。)
失認は、見聞きした情報が全く分からない状態です。
見たり、聞いたりすることに関しては異常はなくても、見たり聞いたりしたことを何か説明できないのです。
人の顔も見分けれらなくなります。
失認の中には、半側空間無視というものもありますがこれは、視野の左右どちらか半分の空間が見えているにも関わらず、認識できないのです。
そのために歩いていると左右に偏ってしまったり、何かにぶつかってしまったりします。
失認では、知っている道でも迷子になってしまうこともあります。
失認になる場合の特徴でゲルストマン症候群というものがあります。
ゲルストマン症候群は4つの症状があります。
- 手指失認:言われた指を正しく選べなかったり、触れた指がどの指か分からなかったりします。
- 左右識別障害:左右がわからない。
- 失書:字を見ながら書き写すことができても、自分で何も見ずに字を書くことができません。
- 失計算:計算ができない。
他には記憶や学習といった機能が低下することがあります。
リハビリをしていても前日に行ったことを覚えられないこともあります。
③,精神障害
脳梗塞の後遺症として、この精神障害はあまり知られていないのが現状です。
私の好きな某歌手の方がクモ膜下出血から高次脳機能障害となり、この精神障害もあるという話がありますよね。
脳の中で精神状態や心理状態をつかさどる部分の細胞が死んでしまったり、その部分と関わっている神経がダメージを受けると精神障害を起こします。
後遺症などで元の生活を送れないことでうつになりやすくもなります。
脳梗塞後の変化で性格や人格が変わったと家族が気付くこともあります。
脳の特定の部分がダメージを受けると、性格が優しくなったり、怒りやすくなったりと性格が変わることがありますね。
脳梗塞の後遺症で性格は変わるの?

上記の脳梗塞の後遺症の症状はどのようなものがあるかの説明でもお話したように、性格や人格の変化は高い確率で起こるのです。
- 怒りっぽくなり、怒鳴るようになった
- だらしがなくなった
- 注意散漫になった
- 少しのことで大笑いする
- 子供のようなしぐさや言葉遣いをする
- 他人や物事に興味がなくなる
- デリカシーのないことを言う
性格や人格が変わるのは…。
先ほどもお話したように性格や人格が変わるのは、高次脳機能障害や脳血管性認知症のためです。
高次脳機能障害として起こる性格や人格の変化では、、
- 人にすぐ頼ったり、子供っぽくなる
- 欲求のコントロールができない
- 急に怒り出す、暴れる、泣くなど感情のコントロールができない
- 人の気持ちを察したり、汲み取れない
- こだわりだすと固執してしまう
- 意欲や自発性の低下から人に言われないと何もしようとしない
- 些細なことで笑ったり泣いたりする(感情失禁)
変化した性格は元に戻るの?
脳梗塞の後遺症で性格が変わってしまった場合は元に戻ることがあるのでしょうか。
元の性格に近づくためには、高次脳機能障害の回復が必要です。
麻痺などの後遺症はリハビリなどで血流や機能が回復することで以前の生活に少しでも近づけることはできます。
高次脳機能障害でも少しでも回復することはできます。
脳梗塞の後遺症で言語障害はある?回復はするの?
脳梗塞の前触れや症状として、呂律が回らなくなったり、口の動きがおかしくなる(構音障害)や言葉が出なくなる(失語症)が起こります。
その起きた症状は、麻痺と同じように後遺症として残ってしまうのです。
体に起こる後遺症と同じように言語障害に対してもリハビリを行っていきます。
先にもお話したように一度ダメージを受けて死んでしまった細胞は生き返りません。
そのため、もともとの言語状態になることは難しいですが、少しでも元の状態に近付けることは可能なのです。
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まとめ
どうでしたか?
脳梗塞の後遺症によって性格が変わったり、言語障害が起こってしまうのか、そして回復するものなのかについて詳しくご紹介しました。
もし、身近な家族が脳梗塞の後遺症で性格が変化してしまったら、あなたはどうしますか?
決してその方も自分でそうしたくてしているわけではないんです。
病気の後遺症によって、そうなってしまっていると理解して、接するとお互いに気持ちの負担も軽減すると思いますよ。
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