みなさん、薬物乱用頭痛という言葉を聞いたことがありますか?
慢性的な頭痛で辛いからといって毎日お薬に頼ってばかりいると余計に症状を悪化させてしまうかもしれません。頭痛のたびにお薬を飲んでいる方は【使用過多による薬物乱用頭痛】の可能性があります。
そんな薬物乱用頭痛についていろいろな角度から調べてまとめてみましたので、心当たりがある方は是非、参考にしてみてください。
薬物乱用頭痛ってどんな症状?
頭痛にもさまざまな種類のものがございますが、『薬物乱用頭痛』などというものもあります。それにしましても、薬物乱用とは、ちょっと怖い響きがしませんか?
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薬物乱用頭痛とは、どのような病気であるのかをチェックしていきましょう。
薬物乱用頭痛というものは、鎮痛薬を頻繁に服用したりすることが原因で起きてしまう頭痛になります。つまり、頭痛に普段から悩まされている人が、頻繁に起こる頭痛を鎮めようとその都度、頭痛薬に頼っていたところ、それが原因になって、望まぬ頭痛を新たに引き起こす、ということ。
何とも皮肉ではた迷惑な病気のようですね。
薬物乱用とは怖いイメージがしますが、妙な薬物ではなく、市販などで売っている頭痛などの鎮痛薬を飲んだりしていても、あまりにも過剰であれば、かえって弊害になってしまうということなのです。
こうして見てみれば、なんだか納得とも言えそうですね。
具体的な症状の類型としましては、偏頭痛とか緊張性頭痛といったものになることが多いようです。たしかに頭痛はつらいものですし、頻繁に煩わされているような方であればついつい、いつも使用している鎮痛薬に手を出してしまうことも仕方がないといえるかもしれません。
でも、よかれと思ってしたことでかえって症状が悪化してしまっては、やはり元も子もありません。あくまでも鎮痛薬も、三度の食事と同じように、腹八分でやめておくべきということですね。
どのような人が薬物乱用頭痛に当てはまるのか?
それではどんな人が薬物乱用頭痛にあてはまるのかご紹介したいと思います。自分の意思とは関係なく知らず知らずのうちに薬物乱用頭痛を患っている人もいると思うので一緒にチェックしてみましょう!
- 月の半分以上、頭痛に悩まされている方
- 市販薬、処方薬を月に10日以上飲んでいる方
- 早朝から寝起きに必ず頭痛が起こる方
- お薬を飲んでも効果が感じなくなり痛みが増してきた方
- 前から飲んでいたお薬が効かなくなってきた方
- 頭痛の痛みの場所がその都度変わる方
上記の項目にいくつかあてはまる方は薬物乱用頭痛の可能性があるので注意が必要になります。
お薬の使用過多による薬物乱用頭痛の診断基準は下記ように定義されています。
8.2 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)の診断基準
A. 以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は1ヵ月に15日以上存在する
B. 1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を3ヵ月を超えて定期的に乱用している
C. ほかに適切なICHD-3の診断がない
薬物乱用頭痛が起こる原因とメカニズムは?
それでは薬物乱用頭痛が起こる原因とメカニズムについてみていきましょう。
薬物乱用頭痛に陥りやすい人は、頭痛の痛みに対して敏感に反応してしまう人に起こりがちです。たとえば頭の痛みを感じたらすぐにお薬を飲んで痛みを抑えようとしてしまう、あるいはお薬を飲んでいないと痛みが起こるようで不安に感じてしまう、などのネガティブな気持ちを常に持っていて痛みに過剰に反応してしまったりします。
お薬を飲んで痛みを抑えようとすると逆に脳が痛みに対して敏感になってしまい、頻繁に頭痛が起こるようになり最終的には薬の効果もなくなってきてしまうという負のループに陥ってしまいます。
薬物乱用頭痛の予防と治療法を教えて?
薬物乱用頭痛は、その名のとおり薬を使いすぎることによって起こってしまう頭痛です。よって、治療するためには、基本的に薬物乱用頭痛の原因となった鎮痛薬を使用するのを控えることが重要です。最低でも2ヶ月間は完全にお薬服用するのを止めないといけません。
それまで使っていたお薬をやめるのは、人によっては勇気がいることかもしれませんよね。しかし、肝心のそのお薬のせいで薬物乱用頭痛になってしまっている以上、それ以降も使用するということは、避けなければいけません。
難しい選択ではありますが、これが治療の第一歩だということを覚えておきましょう。
ここで気をつけておきたいことは、薬物乱用頭痛の患者である場合、それまで使用していた薬をやめてしまうことによって、その直後に一時的に症状が悪化してしまうということです。つまり、一時的に頭痛がひどくなるということを意味します。
最初の1週間~2週間はお薬服用を止めた反動で非常に辛い症状を伴う場合もあります。(頭痛だけではなく吐き気や嘔吐など)その場合は、頭痛外来を受診して吐き気や嘔吐などの予防薬を処方してもらうようにしましょう。
ただし、このこと自体は心配する必要性はありません。
あくまで使用をやめた直後のことであって、そのまますると、頭痛の回数や痛みのレベルは徐々に落ちていくということになります。頭痛の回数が減り、お薬を服用する前と同じくらいの頭痛症状に戻ったらそのあとは適切な治療を行う必要があります。(お薬に頼らない治療法という意味です。)
さて、この薬物乱用頭痛の原因となってしまっている、鎮痛薬をやめるということですが、どういう形でやめるのが好ましいのでしょうか。少しずつ減らしていくべきなのか、それともいきなりやめてしまうべきなのか、なかなか判断に迷いそうですよね。
実は、意外かもしれませんが、薬物乱用頭痛の原因である鎮痛薬の使用中止については、いきなりやめてしまう方が効果的であると言われているのです。とはいえ、念のため、まずは受診してみて、それから決めるというのが無難であると思います。
薬物乱用頭痛にならない為の予防法
頭痛持ちの方は薬物乱用頭痛になりたくてなっているわけではありません。
慢性的な頭痛を抑えるためにお薬に頼りすぎた結果、招いてしまう頭痛なので根本的な治療法から見直していく必要があるといえます。薬物乱用頭痛に一度かかってしまうと再発しやすいと言われています。
そうならない為にも、頭が痛いからといってむやみやたらにお薬に頼ることをやめましょう。緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛などいくつかありますが、生活習慣を見直したり食生活の改善、適度な運動や質のいい睡眠を心がけるだけでも症状は軽減します。
どうしても痛くて辛い場合などはお薬に頼ってもいいとは思いますが、それが毎回になってしまうと頭痛を悪化させてしまう原因になるのでお薬を飲む前に一度考えるようにしましょう。
まとめ
薬物乱用頭痛についていろいろな角度からご紹介してみました。月の半数、頭痛が起こって痛みを患ってしまうのは本当に辛いことだと思いますが、お薬に頼らず根本的な治療法を見直すことで改善出来ることだと思います。
どうしてもお薬を止めることが出来ない方は頭痛外来などを受診して専門の先生に相談する方がいいですよ。きっと適切な治療法を提案してくれると思いますので。
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