
飛行機に乗った時に突然激しい頭痛に襲われる方がいます。
いわゆる「飛行機頭痛」と言われるものですね。
そんな本日は、飛行機頭痛になる3つの原因や症状、さらに対策法などについていろんな角度からご紹介したいと思います。
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飛行機頭痛の原因とは?
なぜ、飛行機に乗った際に頭痛が起きてしまうのでしょうか。
飛行機頭痛が起こる原因や、頭痛を起こしやすい人について詳しく解説しましょう!
気圧の変化
まず、飛行機頭痛の大きな原因の一つとして、気圧の変化があります。
機内は与圧によって気圧調整はされていますが、地上よりも減圧された状態(0.7~0.8気圧)になっています。
その為、副鼻腔や耳管に影響を及ぼし頭痛を引き起こすと言われています。
減圧された機内では、鼓膜の内側にある中耳の空気が膨張した状態になっているので余計に頭痛を起こしやすいのかもしれませんね。
飛行機頭痛は着陸時によく起こる人が多いと言われています。
飛行機頭痛が起こるメカニズム
次に飛行機頭痛が起こるメカニズムについて見ていきましょう。
気圧の変化で、一番影響される器官として副鼻腔があります。
副鼻腔内で空気が膨張し、圧迫されることで副鼻腔が腫れた状態になります。
その為に副鼻腔の周辺に分布している三叉神経を刺激し、激痛が走るとされています。
鼻腔が塞がった状態では、耳管の通りも悪くなるので、中耳と体外の圧力のバランスをとる事ができず、頭痛を引き起こしやすくなります。
また、機内の酸素飽和度の減少(約80%)や、湿度の低下(5~15%)による空気の乾燥が、副鼻腔の粘膜を刺激して急性副鼻腔炎を起こし、頭痛の原因の一つになっているとの研究報告もあるようです。
飛行機頭痛になりやすい人の特徴
先に述べたようなメカニズムから、鼻腔が塞がっている人は、飛行機頭痛を起こしやすいと考えられます。
アレルギー性鼻炎や花粉症、慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)などの持病のある人、風邪を引いて鼻が詰まった状態の人が頭痛を起こしやすいと言えますね。
また、慢性中耳炎を持っている人も、耳管の通りが悪いために飛行機に乗る時には注意が必要です。
片頭痛を持っている人も、血管の拡張により飛行機頭痛を起こしやすいようです。
男女比でいうと、20~40代の働き盛りの男性が多く、出張の為に飛行機で移動する機会が多いからではないかと思われます。
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飛行機頭痛の症状や痛み具合は?
では、飛行機に乗った時の頭痛には、どのような痛みがあるのでしょうか?
経験した人にしか分からない痛みだとは思いますが、表現は人それぞれです。
痛みが起こる場所は、右か左のどちらか片方のようですね。
- 目の周辺や目の奥に激痛が走る
- 剣で目をえぐられるような痛み
- 目が飛び出してしまうような痛み
- 前頭部が割れるような痛み
などの種類があるようです。
こうやって見るとかなりの痛みを伴うように感じてしまいますが、痛みの表現方法は人それぞれなので上で挙げた痛みが全てではありません。(※痛みには個人差があるのでそこまで強い痛みを伴う人も少ないです。)
飛行機頭痛の特徴は、飛行機が下降し始めた時に急激に発症し、下降が終わったあと20~30分で自然に消失する事です。
なお、飛行機から降りた後も頭痛の治まらない人、頭痛に加えて耳の異常も生じた場合は、「航空中耳炎」の可能性も考えられますので、そういった場合は耳鼻科への受診をおすすめします。
飛行機頭痛の対処法を教えて?
次に飛行機頭痛の対処法として、どのようなものがあるのかご紹介したいと思います。
医療の分野など、様々な体験談を元に、主なものを挙げてみましょう。
耳抜きをする
耳抜きをする具体的な方法としては、唾を飲みこむ、ガムをかむ、アメをなめる、水を飲むなどがあります。
また、バルサルバ法(息を止めて耳の空気を抜く方法)が出来ればなお良いのですが、やり過ぎは鼓膜の破裂を起こすので、注意が必要です。
痛みを表現できないお子さんたちは、機嫌が悪くなったり泣くことで違和感を訴えます。
その時には、飴をなめさせたり、ジュースを飲ませたりすると良くなる時があります。
授乳中の赤ちゃんには哺乳瓶でミルクや白湯を飲ませたりすると良いでしょう。
耳栓を使用する
耳の中に空気が入らないような予防策として効果的です。
スポンジのものではなく、気圧変化に対応した耳栓を用意するのがベストだと思いますね。
今では100均などで安価でも高品質な耳栓が売られているので買い溜めしておくといいでしょう。
カフェインを摂る
特に片頭痛を持っている人は、カフェインを含んだ飲み物も有効です。
カフェインには血管を収縮させる作用があり、片頭痛に効果的との報告があります。
カフェインを多く含む飲み物としては、ココア、コーヒー、緑茶、コーラなどがありますね。
ただし、飲み過ぎには注意しましょう。
鼻の通りを良くする
飛行機に搭乗する前や、搭乗後の機内では飛行機が離着陸する前に点鼻薬をしましょう。
点鼻薬は、頭痛が出てからでは効果はありません。
また、市販されているブリーズライト(鼻腔拡張テープ)の使用が効果的との声が多く聞かれます。
鼻腔を拡張させるグッズとしては、テープの他に鼻腔内に使用するシリコンタイプのものもあるので、自分に合ったものを使用すると良いでしょう。
鼻炎の人は、医師と相談の上、抗ヒスタミン剤の服用も可能です。
眉間や目の周りを温める
機内でお湯をもらい、小さなタオルやハンカチに浸して眉間を温めます。
使い捨てのカイロを携帯すると良いかもしれませんね。
鎮痛剤の服用
痛みを我慢する必要はありません。
様々な対処法を行っても頭痛が起きるようでしたら、鎮痛剤を使用しましょう。
鎮痛剤は予防策としての使用も可能ですので、着陸の30位前に服用しておくと良いと思いますよ。
アルコールは控えましょう
アルコールは血管を拡張させる作用があり、頭痛を助長させることがあるので注意が必要です。
搭乗前や搭乗中に飲むことは控えましょう。
水分補給
機内はとても乾燥しています。
体の水分が不足してしまうと、頭痛を起こす原因の一つにもなります。
少量ずつでもいいので、水分はこまめに摂るようにしましょう。
酔い止めの服用
頭痛は、乗り物酔いの症状の一つとしてもあげられます。
予防策として服用するのも良いかと思いますよ。
マスクの着用
機内の乾燥から鼻を守るためには、マスクの着用も効果的です。
鼻の通りを良くする効果のある、メントールやハーブ入りのマスクも販売されています。
また、マスクにかける、メントールが配合されたスプレーもあるのでリラックスを目的とする場合は利用してみるといいでしょう。
ちなみに、点鼻薬や鼻腔拡張テープ、耳栓、市販されている鎮痛薬などは、空港内のドラッグストアでも購入することができます。
空港内のお店のチェックをしておき、万が一、ドラッグストアがないようなら、事前に用意しておきましょう。
一般的には上記であげた対処法がありますが、現在では片頭痛の治療薬として知られる、「スマトリプタン」を自己注射する方法もあります。
この薬を使うには医師の処方が必要となりますので、医療機関を受診して専門医に相談するようにしましょう!
様々な対処法を試しても良くならず、飛行機頭痛に悩まされる方は、医師に相談の上、スマトリプタンの使用を考えてみるのも良いかと思います。
しかし、注射器の持ち込みが禁止されている場合もありますので、使用するにあたり、航空会社への問い合わせが必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
飛行機頭痛の原因や症状、対処法などについて詳しくご紹介しました。
飛行機に乗る時には、体調だけではなく、様々なストレスを感じる方も多いかと思います。
さらに、頭痛でストレスが増すようでは、快適なフライトとは言えませんよね。
まだまだ症例も少なく解明されていない「飛行機頭痛」ですが、ここに紹介した内容で、不安が少しでも軽減できたら幸いです。
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