
ピルを服用した際に頭痛を経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
実は、ピルで頭痛を訴える人は意外と多いんです。
それではなぜピルを服用すると頭痛が起こるのか、気になる原因や副作用について詳しく解説していきたいと思います。
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ピル服用で頭痛が起こる原因とは?
ピル服用で頭痛がおこる原因としては主にホルモンバランスの変化とセロトニンという物質の分泌量が減少することで起こります。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの変化
女性ホルモンには2つのホルモンがあります。
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
ピルはこのエストロゲンとプロゲステロンがバランスよく配合されたお薬です。
通常エストロゲンとプロゲステロンは女性の生理周期に合わせて分泌されていますが、ピルを服用するということは、これらを体外から摂取することになるので、身体の中のホルモンバランスが一時的に乱れることがあります。
これにより自律神経が乱れてしまい、頭部の血管が拡張して頭痛が起こると考えられています。
セロトニン分泌量の低下
ピルが生理を起こす仕組みとしては、一定期間エストロゲンとプロゲステロンを取り入れて、その後1週間ほど服用をやめることで消退出血による生理を起こします。
ですがこの休薬期間中はエストロゲンもプロゲステロンも体外から入ってこなくなるため、体内のホルモン量は急激に減少します。
このときセロトニンと大きく関係しているのがエストロゲンで、血中のエストロゲン量が低下することで、同時にセロトニンも減少すると考えられているのです。
セロトニンは脳内で作用するホルモンの1つで、生体機能の調節や気分の変調に大きく関係しています。
またセロトニンには血管収縮作用があるのですが、急に減少してしまうと反動で血管が拡張します。
そのためピルを服用していない期間は、エストロゲンを体外から取り入れなくなるために血中濃度が低下し、同時にセロトニンの分泌量が減少します。
その結果として血管が拡張して頭痛が起こる原因となるのです。
ピル服用で起こる副作用を教えて?

ピルはホルモン剤の1つなので、頭痛以外の副作用がでることもあります。
ピル服用で起こる頭痛以外の副作用をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
気分の落ち込み、情緒不安定
はっきりとした原因はわかっていないのですが、ピルを服用することによってホルモンバランスが変化することが原因だと考えられています。
生理前に気分が落ち込んだり、悲しくないのに涙が出てしまうというような経験はありませんか?
これと同じような原理で、体内のホルモン量が変化することで、感情コントロールに影響が出てしまうようです。
吐き気、食欲不振
吐き気や食欲不振はピルを服用することでよくみられるマイナートラブルの1つで、約30%の人に見られます。
ただ、3シート分ほど飲み続けると症状が改善する人が多いため、はじめ吐き気などの症状がみられても、徐々に落ち着いていく人が多いようです。
この吐き気や食欲不振も、ホルモンバランスの変化によっておこると考えられています。
ホルモンバランスが変化することで自律神経が乱れ、胃や腸などの消化器官のはたらきが悪くなります。
これにより、吐き気や食欲不振、さらには胃のむかつきなどといった症状が現れてしまうようです。
不正出血
不正出血は主にピルの飲み始めによくみられることが多いようです。
ピルは生理のはじまりとともに服用を開始しますが、その際にきちんと生理によって子宮内膜が排出される前にホルモンバランスが変化することで、出血がだらだらと続き、不正出血となってしまうようです。
また、ピルの飲み忘れも不正出血が起こる原因となることもあります。
ピルを服用している間は、エストロゲンとプロゲステロンを一定量とりこんでいるのですが、飲み忘れることでホルモン量が急激に低下し、不正出血が起こるのです。
眠気、倦怠感
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが配合されているため、服用すると血中のエストロゲンとプロゲステロンの量が増えます。
このうちプロゲステロンには基礎体温を上げ、眠気を増幅させる作用があります。
プロゲステロンは1周期間の生理周期のうち、排卵後~生理前にかけて分泌されるホルモンで、妊娠継続にも重要なホルモンです。
生理前や妊娠腸初期などに眠気が現れるのはこのためと言われています。
同じようにピルを服用することでプロゲステロンの量が増え、眠気が増します。
深部静脈血栓症
ピルの副作用で最も気を付けたいのがこの深部静脈血栓症です。
ピルには血を固めやすくする作用があるために深部静脈血栓症が起こりやすくなるといわれています。
特に35歳以上の喫煙者や、1日に15本以上吸うヘビースモーカーの方などは注意が必要です。
また、もともと心疾患や循環器の疾患を抱えていたり、一度静脈血栓の既往がある人も深部静脈血栓症になりやすいとされているため、ピルを服用する際は医師と相談するようにしましょう。
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吐き気や眠気が起こる場合の対処法とは?
ピルの服用によって吐き気や眠気が起こる場合は、規則正しい生活を送ることが最も効果的です。
良質な睡眠をとる
特に睡眠時間はしっかりととりましょう。
夜22時~2時の間はゴールデンタイムとよばれるように、ホルモンの分泌が盛んになる時間帯です。
この時間はしっかり睡眠をとれるような生活を送るように心がけることでホルモンバランスも安定しやすくなり、ホルモンバランスの変化による吐き気や眠気がおこりにくくなるとされています。
また、朝起きたらまずカーテンを開け、太陽の光を浴びることが効果的です。
太陽の光を浴びると、体内では睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌を止めて、代わりに覚醒を促すホルモンである「セロトニン」の分泌を促進されるのです。
これによって日中の眠気が減少すると考えられます。
バランスの良い食事を摂る
特に眠気や吐き気の症状がひどいときは和食を中心としたヘルシーでバランスのとれた食事がおすすめです。
特に鉄分やタンパク質は積極的にとりましょう。
これらは血液や細胞となり、全身に酸素をいきわたらせるのに重要な栄養素になります。
またビタミン類もぜひ意識して取り入れてみてください。
ビタミンは活性酸素を除去したり、代謝を促進したりするはたらきがあるため、眠気や倦怠感には効果的です。
また吐き気のある場合はこってりしたものや糖分の多いものなどは避け、和食などの低カロリーなものや、そばやうどんなど食べやすく消化しやすい食事がおすすめですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ピルを服用することで起こる頭痛やその他の副作用について詳しくご紹介しました。
ピルを服用することで、体内のホルモンバランスが変化し、さまざまな副作用がおこることがあります。
ですが、多くは3か月程度で落ち着くものが多いようですね。
ただし深部静脈血栓症は注意が必要な副作用のため、喫煙歴がある方や循環器に疾患のある人などは医師と相談して服用するようにしましょう。
また規則正しい生活を送ることでピルによる副作用も軽減することができるため、生活リズムを整えて、うまくピルと付き合っていきましょうね。
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